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TOP GUIDE TO THE TOWN For Joyful Life OWNER'S LIFE INTERVIEW

吉祥寺 - 演じたかと思えば、ベースも弾く。
多彩な活躍のエネルギー源は、吉祥寺

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「やったー、音楽活動も仕事になった。 すごくうれしい気分」 前進座から独立し、 ますます幅広い活動に表情が輝く

中村梅雀さん

昨年、還暦を迎えたはな子(アジアゾウ)は人気者。「親父(中村梅之助)ははな子に触ったことがあるんですよ。くやしい〜」

   吉祥寺駅の南側に広がる井の頭恩賜公園。池では多くの水鳥が泳ぎ、樹木の葉を風が揺らす。その奥に、人気者のゾウのはな子がいる動物園(自然文化園)がある。梅雀さんは、この動物園に何百回と足を運んでいるという。それもそのはず、生まれも育ちも吉祥寺。

 僕は生まれたときから、ほとんど吉祥寺暮らし。昨年、吉祥寺にある劇団の住宅を出ましたが、今も吉祥寺に住んでいます。小学校は武蔵野市立第三小学校、中学も武蔵野市立第三中学校。高校は沿線の荻窪でしたが、生活のすべてが吉祥寺でした。
 もう、離れられないですね。食べるところも魅力的なお店がいろいろあるし、前進座、吉祥寺シアターなどの劇場や、ライブハウスなど音楽の文化的な楽しみもあって、生活に必要なものが全部そろっているところがうれしいですよね。都心から武蔵野市に入ってくると、すーっと温度が下がる ─ その空気感も好きです。
 それになんといっても井の頭公園。ちょっと時間ができたら、自然豊かな公園内を歩くと健康にもいい。公園を散歩して、どこかで食事をして、ジャズクラブに寄ってお酒を飲み、公園を通って帰ると適度に酔いが醒めて、家に帰って風呂に入る。まさに幸せな生活(笑)。

音楽と反抗期、祖父の命令

中村梅雀さん
   代々の役者一家ゆえに稽古事は小さい頃から。初舞台も9歳で踏んでいる。が、まっすぐに歩んできたわけではなさそうだ。

 子どもの頃、親父(中村梅之助)に連れられて動物園のサル山によく来ていました。サルたちの生態が面白いぞということだったと思うんですよ。興味のわくものは徹底して集中して観察させる。もしかしたら、頭の端っこに「観察力」が演技の役に立つだろうと考えていたのかもしれませんね。
 ところが親の思惑とは外れ、中学・高校と「音楽」の方向へ走ってしまって、親父がなんと言おうと音楽から離れなかったですね。というのも、小さい頃からの稽古事は中学時代は一切なし。第二次成長期に無理やり稽古をしても弊害が起こるし、本人も集中できないだろうとの祖父(中村翫右衛門)の考えでした。だから中学の3年間、見事にロックやらなにやらに教育されちゃって(笑)。高校から稽古事を再開しても、サボりまくり。一番の反抗期でしたね。
 その頃、親父は『遠山の金さん捕物帳』などのテレビシリーズで忙しく、京都に行きっぱなし。たま〜にしか戻ってきませんでしたから、これ幸いと最高の条件でしたね(笑)。祖父は、あれだけ音楽に一生懸命になれるのだから、いずれはなにかの役に立つだろう。五線譜の読める役者がいてもいいじゃないか、とも言っていたようです。母親はピアニストでしたから、こちらの理解もバッチリ。

徳川家重役で人気は全国区

中村梅雀さん

子ザルたち(アカゲザル)の行動に思わず笑いがこぼれる梅雀さん。このサル山では毎年5月から7月にかけて出産シーズンだとか。

   とはいえ、いずれは役者の道へと考えて、千田是也、安部公房、田中千禾夫など、役者を育てるための最高の講師たちがそろう桐朋学園の演劇コースへ入学。しかし、前進座に入団したのは卒業後5年経ってからでした。

 祖父が、劇団に入ったら芝居、芝居の連続で、習い事をやっている余裕がないし、いろんなものが混ざってきて基本が崩れるから、崩れないだけの基本を身につけてから入れと。それからは真剣に、吾妻徳穂先生の日本舞踊をはじめ、長唄、義太夫、三味線、お習字、お茶…などに励みました。
 広く皆さんに梅雀の名を知っていただけたなと思ったのは、NHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』(1995年)の徳川家重の役。記録があまり残っていない「家重」の資料を集められるだけ集めて先生(医者)に見せたら、「自閉症で、言語機能や運動機能中枢の障害を負っているだろう」という。映画『レインマン』『レナードの朝』などで僕の大尊敬する米・英の名優たちが、障害者や病気になった人物を演じている。こういう役は日本では不可能だと思っていましたから、ついに僕にもチャンスが来たぞ、徹底的に役作りをやってやれと。
 ところが、僕の役作りはテレビで放映するのは難しいと猛烈に反対された。それを役者同士結託してうまくはね返し、「セリフがないときも、セリフを言うまでの反応にプロセスがあるから、それをカメラで追っていってほしい」と、監督以下、局のスタッフさん全員にさんざん演説しました。まさに革命的なことをやったと思います。

舞台に映像に、音楽に

   テレビの好評シリーズ『信濃のコロンボ』『温泉若おかみの殺人推理』などが続くなか、4月以降も大忙しだ。

 テレビでは、大老・井伊直弼役で『篤姫』(NHK)に出演。舞台が薩摩から江戸・京都編に移る4月に画面に登場します。芝居では、4月から江戸時代の絵描き・尾形光琳役の『元禄めおと合戦』(大阪・新歌舞伎座)が始まります。これは7月(名古屋)、8月(東京)と続くものです。舞台って変化していくから、初日と千秋楽とではまるで違うし、4か月後の東京公演でどこまで発展するか楽しみにしています。
 プロのベーシストとしても演奏活動をもっとしたいなと思っています。前進座から独立して、音楽活動も仕事として受けられるようになりましたから。今後、吉祥寺のジャズクラブ「SOMETIME」などに現れることが増えるかもしれません。演劇と音楽、どっちが好きなのと聞かれると、今でも「音楽が好きだ」となっちゃうんですよ(笑)。
   有名なベースギターコレクターとしても知られる梅雀さんだが、今欲しくてしようがない一本がある。だが、「演奏に使うのは多くても5〜6本。今の50本でも多すぎるでしょ」と奥様からストップがかかっているという。「一つ一つ音が違うんだけどなあ」。手に入れたときの感動を夢見ている梅雀さんの顔は、少年のように生き生きとうれしそうだ。

なかむら・ばいじゃく 1955年東京生まれ。曾祖父は初代中村梅雀(浅草、柳盛座の座頭)、祖父は前進座の創立者のひとり、三世中村翫右衛門、父は四世中村梅之助。1965年、9歳のとき、『勧進帳』の太刀持ちで中村まなぶを名乗り初舞台を踏む。1980年二代目中村梅雀を襲名。2007年10月に前進座退団。映画、テレビ出演作品多数。ベーシストとしてプロの演奏活動も行い、CDも出している。

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